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2013/08/03

映画「クロワッサンで朝食を」

エストニア人の女性アンヌが、老母を看取ったあと、パリで同郷の偏屈な老女フリーダの家政婦となる。老女は勝手気ままに生きてきたためか、友人もなくパリのエストニア人社会とも縁が切れている。唯一彼女を気にかけてくれているのは、元愛人で彼女が資金を出してあげたカフェの経営者ステファンだけ。意地の悪いフリーダの仕打ちでアンヌは辞めようとしたこともあったが、次第に打ち解けて行く二人。ある日、ステファンに冷たい言葉をかけられて落ち込んだフリーダを慰めようと、アンヌはフリーダの古いエストニア人の知人たちを招く。フリーダも浮き浮きと彼らを迎えるが、アンヌが呼び集めたから来たのだと知り、更に彼らが昔のことでフリーダを非難しはじめたため、彼らを追い返し、アンヌにも出て行けと言ってしまう。我慢の限界を超えたアンヌは出て行くが、翌日になって最後の別れを告げようと訪れたアンヌを、フリーダは「ここはあなたの家よ」と言って迎え入れる。

自由に生きてきたフリーダの孤独。子どもたちが独立し老母が逝ってしまったアンヌの孤独。二人の和解、友情の芽生え、あるいは新たな家族の形成を暗示したかのような結末だが、そんなに楽天的な「その後」を期待できるとは思えない。

二人の女優の存在感だけで持っている小品、といったところが妥当な評価ではないか。

金曜日の夕方で映画館は満員だったが男性客は5パーセント程度と、極端に偏っていた。

por Andrés

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