あれから4年 変わらなかった日本、変われなかった日本
4年が経過してより明確になったことがある。日本では、根本のところでだれも責任を取らないし責任を追及しないということだ。福島原発のことだ。結局、原発を設置運営した東京電力、原発政策を強力に推進した政府自民党、安全神話を流し続けたメディア、それらを「科学的に」補強した科学技術者。だれも責任を取りはしなかった。そして日本人の多くも責任を追及しなかった。
ちょうど70年前、敗戦にあたって戦争指導者たちは責任を取らずに生き延び、日本人の多くも戦争責任の追及は東京裁判に任せしてしまった。東京大空襲の日、沖縄慰霊の日、広島長崎原爆投下の日、敗戦の日、戦争の悲惨さを伝える記事や番組は毎年流されるが、戦争責任を追及する姿勢は全くない。特攻隊を賛美する言葉はあちこちから聞こえてくるが、彼らを死地に赴かせた者たちの責任を問う声はない。その結果、戦争指導者の多くは大手を振って社会の中枢を占め、さらには総理大臣になるものさえ出てきた。
その孫である現首相は、祖父が戦争責任を全く感じてさえいなかったのを見習ってか、自分の原発政策への責任など脳裏に浮かべることさえなく原発再稼働を急いでいる。そして日本人の半数が彼を支持している。
一方で「政治とカネ」の問題が相次いで暴露され大臣の辞任も続くが、そんな自民党が声高に愛国心を唱え道徳教育を推進することの異様さを感じる人は少ない。。
もう一方では、街中の書店に「中国は卑劣だ」「愚かな韓国」「中国経済はまもなく崩壊」「韓国企業の没落」といったようなタイトルが並び、テレビでは「日本人はこんなに素晴らしい」「世界があこがれる日本」というような番組が同工異曲で流される。ブラックユーモアや「自虐ネタ」なら救われるのだが。
4年前、東日本で多くのものが失われた。家や道路や港湾が失われ、家族や友人や仕事が失われた。
4年間で日本はさらに大きなものを失っている。
マグニチュード9.0でも日本は変われなかった。
por Andrés
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