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カテゴリー「日記・コラム・つぶやき」の121件の記事

2015/03/11

あれから4年 変わらなかった日本、変われなかった日本

4年が経過してより明確になったことがある。日本では、根本のところでだれも責任を取らないし責任を追及しないということだ。福島原発のことだ。結局、原発を設置運営した東京電力、原発政策を強力に推進した政府自民党、安全神話を流し続けたメディア、それらを「科学的に」補強した科学技術者。だれも責任を取りはしなかった。そして日本人の多くも責任を追及しなかった。

ちょうど70年前、敗戦にあたって戦争指導者たちは責任を取らずに生き延び、日本人の多くも戦争責任の追及は東京裁判に任せしてしまった。東京大空襲の日、沖縄慰霊の日、広島長崎原爆投下の日、敗戦の日、戦争の悲惨さを伝える記事や番組は毎年流されるが、戦争責任を追及する姿勢は全くない。特攻隊を賛美する言葉はあちこちから聞こえてくるが、彼らを死地に赴かせた者たちの責任を問う声はない。その結果、戦争指導者の多くは大手を振って社会の中枢を占め、さらには総理大臣になるものさえ出てきた。

その孫である現首相は、祖父が戦争責任を全く感じてさえいなかったのを見習ってか、自分の原発政策への責任など脳裏に浮かべることさえなく原発再稼働を急いでいる。そして日本人の半数が彼を支持している。

一方で「政治とカネ」の問題が相次いで暴露され大臣の辞任も続くが、そんな自民党が声高に愛国心を唱え道徳教育を推進することの異様さを感じる人は少ない。。

もう一方では、街中の書店に「中国は卑劣だ」「愚かな韓国」「中国経済はまもなく崩壊」「韓国企業の没落」といったようなタイトルが並び、テレビでは「日本人はこんなに素晴らしい」「世界があこがれる日本」というような番組が同工異曲で流される。ブラックユーモアや「自虐ネタ」なら救われるのだが。

4年前、東日本で多くのものが失われた。家や道路や港湾が失われ、家族や友人や仕事が失われた。

4年間で日本はさらに大きなものを失っている。

マグニチュード9.0でも日本は変われなかった。

por Andrés

2015/02/19

下劣

2015年2月19日衆議院予算委員会

安倍首相「日教組!」
玉木議員「総理、ヤジを飛ばさないでください」
玉木議員「いま私、話してますから総理」
玉木議員「ヤジを飛ばさないでください、総理」
玉木議員「これマジメな話ですよ。政治に対する信頼をどう確保するかの話をしてるんですよ」
安倍首相「日教組どうすんだ!日教組!」
大島委員長「いやいや、総理、総理……ちょっと静かに」
安倍首相「日教組どうすんだ!」
大島委員長「いや、総理、ちょ…」
玉木議員「日教組のことなんか私話してないじゃないですか!?」
大島委員長「あのー野次同士のやり取りしないで。総理もちょっと…」
玉木議員「いやとにかく私が、申し上げたいのは…」
玉木議員「もう総理、興奮しないでください」

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2013年4月25日参議院予算委員会

安倍首相「いや、やじして、国民の皆さん、私答弁しているのに、やじっていいんですか。(発言する者あり)いや、是非、テレビを御覧の皆さん、これ、この状況を見てくださいよ。」

2015/02/14

安倍の嘘と夢(イスラム国をめぐって)

「テロに屈しない」「テロを許すな」「卑劣極まりないテロ行為に強い憤りを覚える」と言うと現在の日本では全員が頷く。この点では日ごろ安倍政権に批判的な人々も、その手法に少々の異を唱えることはあっても、「テロ組織イスラム国を壊滅しなければならない」ということでは一致する。結果、人質が殺害された後に安倍政権への支持率は上昇した。

だが、安倍政権の「テロ行為に強い憤りを覚える」という言葉は嘘だ。

イスラム国による人質殺害の映像は確かに衝撃的で、それが許されない行為であることは間違いない。同時に、あるいはそれ以上に米軍やイスラエル軍の子供たちをはじめとした非戦闘員に対する爆撃も許されえないテロだ。米国やイスラエル政府が自己の行為をテロと呼ばないのは、イスラム国が自らをテロリストと呼ばないのと変わりはない。それとも国家の行為はテロではなく、疑似国家のはテロだと言うのだろうか。結局のところ、米軍のテロ行為を批判するどころかそれに積極的に加担しようとする安倍政権は、テロそのものの犯罪性や非人道性などには全く関心はなく、「テロを許すな」といった彼らの言葉には「米政府支持」という以上の意味はない。

「テロに屈しない」と繰り返すことで、イスラム国と全く交渉さえしなかったことを正当化して後藤氏たちを見殺しにした安倍政権。彼らの頭の中にあったのは後藤氏たちの命ではなく、ましてやテロへの怒りでもない。彼らの軍事政策にこの事件を最大限利用しようということだけだったのだ。

事態は彼らの思う通りに進みつつある。

por Andrés

2015/01/04

ある正月風景

1月4日(日)昼、新宿高島屋。

昇りのエレベーターを待っていた。降りがやってきて扉が開く。2歳くらいの子供を乗せた乳母車を押して父親らしい男がエレベーターから出てくる。パンフレットのような冊子がエレベーターの扉のレール上に落ちる。男はそれに目をやるが、そのまま立ち去る。エレベーターの出入口付近に立っている乗客の何人かも落ちた冊子を一瞥する。両側から閉まってきた扉に冊子が挟まり、扉は開いてしまう。出入口付近の乗客の何人かが冊子に目をやる。誰も動かない。私の前に立ってエレベーターを待っている客たちも動かない。間もなく扉が再び閉まってくるが、冊子が挟まってまた扉は開いてしまう。私は出て行って冊子を拾う。扉は閉まり、ようやくエレベーターは降りて行った。

落としたごみを拾わない人などいくらでもいる。

自分に直接関係ないことには無関心な人もいくらでもいる。

しかしこの場にいた人々は別種だ。乗客はエレベーターが動かないと困る。待っている人たちも困る。自身が被害を受けているにもかかわらず、彼らは一歩も動かない。ちょっと足でずらすだけで状況は変わるのに、無表情で冊子を見ている。誰かが何とかしてくれるのを、ただじっと待つだけ。

森達也は昨年末の総選挙を前にして「この国は絶望が足りない」(http://politas.jp/articles/307)と書いた。だが、この国は絶望に値するのだろうか。

por Andrés

2014/12/17

予想通りの総選挙。この後に来るのは

衆議院総選挙は各種メディアが予想していた通りの結果となり、番狂わせと言えるようなものはなかった。だからこそ一点だけ再度指摘しておきたい。

沖縄選挙区の結果だ。四つの選挙区すべてで自民党公認候補が敗れ、辺野古基地建設反対派が勝った。ここに示された沖縄の意思を安倍政権は今後も無視し続けるのだろうか。

4年前の県知事選挙で自民党の支持した仲井真氏が当選したが、その際に仲井真氏は県外移設を公約に掲げていた。そして1年前にその公約を反故にして安倍自民党政権の辺野古基地建設方針を受け入れた。2年前の総選挙で沖縄4選挙区で自民党公認候補が当選したが、その際に彼らは県外移設を公約に掲げていた。そして安倍自民党執行部は彼らに公約を反故にして党本部の方針を受け入れさせた。

名護市長選挙で、安倍自民党政権が札束で名護市民の頬をひっぱたいたが、市民は辺野古基地建設反対派の稲嶺氏を市長に選んだ。

先月の沖縄県知事選挙で、安倍自民党政権はUSJ誘致などのニンジンをぶら下げて現職の仲井真氏を推したが、県民は辺野古基地建設反対派の翁長氏を知事に選んだ。

そして今回の総選挙。

この4年間、あるいは2年間に二つのことが明らかになっている。

一つは沖縄県民は辺野古基地建設に一貫して明確に反対だということ。

もう一つは自民党は一貫して明確にペテンを弄しているということだ。そして本土の日本人はこのようなペテン師集団の安倍自民党政権を支持したということだ。

物分かりのいい言い方をすると、複雑な政治世界では民意に反する政策をとらざるを得ないこともあるというのは理解できなくはない。だが、安倍たちのやっているのはそんなレベルのことではない。「辺野古基地建設推進」という政策にもちろん私は反対だが、そういう政策を自民党が掲げることを否定する気はない。しかし自民党は「辺野古基地建設推進」という政策を維持したままで「辺野古基地反対」を公約する候補を公認し、選挙後に翻させた。これはペテン以外の何物でもない。だからこそ沖縄県民は自民党支持者も含めて、選挙区で自民党候補を敗北させたのだ。一方、本土の日本人はペテン政党を主とする与党に三分の二以上の議席を与え、安倍政権に全権を白紙委任した。

ここからもたらされる事態の責任は安倍自民党と公明党に投票した者たちが負わなければならない。「不甲斐ない野党」や半数近い棄権した人々、また対抗勢力をつくりえなかった私たちに責任がないとは言わないが、「みんなが悪い」と一億総懺悔で責任の所在をあいまいにすることは歴史の愚行の反復でしかない。

とは言うものの、これまでと同様、これからもだれも責任を取らずに愚行が繰り返されてゆくのだろうと悲観的になってしまう今日この頃だ。

por Andrés

2014/12/13

米国CIAの拷問と自民党政府

米国がCIAによる拷問の一端を公表した。アブグレイブやグアンタナモでの米軍やCIAによる拷問は周知の事実だったのだが。

オバマは一期目の大統領選挙でグアンタナモ収容所の廃止を公約していたが、現在まで実行していない。

拷問の責任追及がどうなるかは明らかでない。、それ以前に戦争捕虜でもなく刑事被告人でもないという立場に置いてグアンタナモに多くの人々を不当拘束し続けてきたことへの言及は全くない。それでもこれが公表されたことは微かな前進ではある。

ますます明らかになってくるブッシュによるイラク戦争の不法・不当性を前にしても、日本政府・自民党に自衛隊のイラク戦争参加について検証する姿勢は全くない。こんな連中が「集団的自衛権」などで米国の戦争に盲目的に参戦しようとしているのだ。

por Andrés

2014/12/12

総選挙のもたらすもの

今回の総選挙、各種メディアによる事前予測では自民党の圧勝、与党で三分の二以上、自民党単独で三分の二以上の可能性も、となっている。

予測通りの結果となった時、もたらされるのは「戦後民主主義の終焉」だ。私は共産党や社民党をはじめとしたいわゆる左派やリベラル派などのように、「戦後民主主義」は何をおいても守らなけらばならないものだとは考えない。ただ、これに代わるもの、あるいはこれに代わるものへの道筋が見出せない間は、まだましなシステムとして許容しようと考えるだけだ。

しかし安倍政権のこれまでの言動から明らかなのは、彼らは総選挙後に一層「戦後民主主義の破壊」を推し進めるだろうということだ。自民党に投票する有権者の多くは、安倍自民党の政策を全面的に支持しているのではないだろう。原発再稼働に反対している人も多いだろうし、集団的自衛権行使容認に賛成できない人もいるだろう。それはどの政党に投票する人も同様だ。この部分の政策には賛成で別の部分の主張には反対だが、総じて自分の考えに最も近いからこの党に投票する。これが一般的な投票態度だ。それは政党政治や代議制の避けようのない欠陥なので、現状では甘受するしかない。しかし安倍自民党だけは別だ、と断言しなければならない。

今、彼らは消費税引き上げ延期の是非やアベノミクスの評価を問う選挙だと喧伝している。しかし、彼らが選挙の勝利を「安倍に対する全面的かつ無条件の信任」とみなすだろうことは明白だ。有権者がどう考えたかとか、自民党の得票率がどうだとかいったことはすべて無視されるだろう。この2年間がそれを証明している。そして民主主義は終わる。

「民主主義」などより今の生活が大事。景気が回復し、仕事が手に入り、給料が上がるならいいじゃないか。株価が上がっても自分は株主じゃないから儲かったわけじゃない。景気が良くなったといっても一部の大企業だけで自分には関係ない。仕事が増えたと言っても非正規ばかり。給料の金額は増えたが物価はそれ以上に上がった。アベノミクスからは何の恩恵も受けていない。それでもひょっとしたら1年後には、2年後には少しは良くなるかもしれない。野党は具体的な経済政策を出していないのだから、自民党に賭けてみるしかないじゃないか。

万が一この賭けに勝ったとしても、手に入るのはどんな社会なのだろう。

por Andrés

2014/12/01

安倍自民党による言論統制

自民党が総選挙を前にして各テレビ局に対して「公平・中立な番組制作」を求めた。

・出演者の発言回数及び時間等については公平を期していただきたいこと
・ゲスト出演者の選定についても公平中立、公正を期していただきたいこと
・テーマについて特定の立場から特定政党出演者への意見の集中がないよう、公平中立、公正を期していただきたいこと
・街角インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏る、あるいは特定の政治的立場が強調されることのないよう、公平中立、公正を期していただきたいこと

「公平・中立」と言えば一見当然の要求のように見える。しかしこれはまさに言論統制でしかない。自民党は番組内での発言者の人選、員数配分等にまで細かく注文を付けている。自民党は巨大な政権政党であり権力者なのだから、たとえ同じ内容の要望を出したとしても弱小政党の場合とは意味が全く違うのだ。

歌舞伎町あたりのバーで支払いの際に強面のお兄さんが出てきて「ビール三本で10万です。もちろん喜んで払ってもらえますよね」と言ったとしたら、これが何を意味するか。

安倍自民党のテレビ局に対する「お願い」が何を意味し、どういう効果をもたらすか。それが分からないとすれば安倍自民党はとんでもない馬鹿だし、分かっているなら悪辣極まりない。

それにしても新聞はこの件を報じているが、当のテレビ局は触れようともしない。早くも日本はそこまで行ってしまったのか。

por Andrés

2014/11/26

総選挙で問われていること

安倍首相はこの衆議院解散・総選挙を、消費税増税延期の可否を問うものだとしている。増税は国民生活に重大な影響を及ぼすものだからだそうだ。

これを程の見え透いた嘘を平然と公言する政治家も珍しい。「嘘は大きいほどよい。どんな嘘でも繰り返せば信じられる」といったナチス高官の言葉を忠実に守っているのだろうか。

総選挙を前にして私たちが思い出さなければならないのは、前回選挙で安倍自民党が何を言い何を言わなかったか、その後に彼らが何をやり何をやらなかったかだ。

彼らは議員定数の削減と一票の価値の不平等の是正を約束したが、やらなかった。

彼らは消費税を増税して社会保障制度の充実にあてるといったが、増税分の多くを景気対策という名で公共事業のばらまきに使った。

彼らは特定秘密保護法について何も言わなかったが、制定した。

彼らは集団的自衛権行使容認の閣議決定について何も言わなかったが、決定した。

彼らは沖縄選挙区で辺野古移転反対を公約した候補者を公認したが、当選後にはそれを破棄させ、辺野古移転を強行しようとしている。

ここから言えることは、安倍自民党が選挙時に口にすることには何の意味もないということだ。彼らは約束したことでも実行する気はない。選挙時にはおくびにも出さなかったことでもやりたいことはやる。言ったことと正反対のことでもやりたいことはやる。

さらに言えることは、彼らは民意などどんな嘘を使ってでも好きなように動かせばいいだけのもので、民意が彼らの意思に反した時は無視するだけだと考えているということだ。

原発も基地も、多くの日本人はもう忘れかけているし、そんなことより「景気回復」というニンジンをぶら下げておけば、大多数の日本人は安倍を支持する。現に世論調査でも少なくとも半数は相変わらず安倍内閣を支持しているではないか。そう言って彼らはほくそ笑んでいるのだろう。

だからこそ私たちは現実を見なければならない。

原発が再稼働されそうになっているが、そもそも福島原発の事故はどのようにして起こったのか、まだ分かってはいないのだ。「地震と津波」では答えにならない。地震で何が壊れ、それで事故がどう推移したのか。津波で何が壊れ、何が起こっていったのか。こうしたことが詳細に分析されないうちに原発は安全だなどというのは神話でしかない。安倍たちは再び安全神話を振りまいて原発を再稼働させようとしている。フクシマ以前にも安全神話を振りまいていた自民党が再びそれを繰り返すのは、私たちが彼らの責任を追及しなかったからだ。

安倍たちは沖縄の民意を徹底的に無視して辺野古新基地建設を進めている。これも私たちが沖縄の民意を軽視してきたからだ。

現在の小選挙区制の下では三分の一の得票で三分の二の議席という結果が出てしまう。しかし安倍自民党には三分の二の議席で驕ることはあっても、三分の一の得票の意味を真剣に受け取る姿勢はない。

そして私たちは、そんな安倍自民党の存在を許している。これからも彼らの責任は不問に付して安倍内閣の存続を認め、彼らが目指している「秘密保護法」で情報を隠し、「武器輸出」で外貨を稼ぎ、「集団的自衛権」で戦争に走り、「原発再稼働」で処分不能な放射性廃棄物を増産し、経済格差を拡大し、地域格差を拡大し、沖縄の民意を無視することを認めるのだろうか。

2014/11/17

『読売新聞』=日本版『人民日報』

※都合のいい部分だけを引用して対象を貶めていると思われないよう、全文を掲載します。著作権法上問題があれば削除しますので、ご連絡ください。

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読売新聞社説

沖縄県知事選 辺野古移設を停滞させるな

2014年11月17日 01時18分

曲折の末、ようやく軌道に乗った米軍普天間飛行場の移設を停滞させてはならない。新知事に慎重な対応を求めたい。

沖縄県知事選は、翁長雄志・前那覇市長が現職の仲井真弘多氏らを破って初当選した。

選挙では、普天間飛行場の名護市辺野古への移設の是非が最大の争点とされた。

元自民党県連幹事長の翁長氏は「移設反対」を唱え、共産、社民など革新政党との保革共闘によって、幅広い支持を集めた。

自民党推薦の仲井真氏は、「普天間問題の一日も早い解決」を最優先課題に掲げ、「移設容認」の立場を鮮明にした。

仲井真氏が昨年末、移設先となる辺野古沿岸部の埋め立てを承認したのは、住宅密集地にある普天間飛行場の危険性の早期除去を重視したゆえの決断だった。

移設予定地は市街地から遠く、騒音や事故の危険性が現状に比べて格段に小さい。沖縄全体の基地負担を大幅に軽減しつつ、米軍の抑止力も維持するうえで、最も現実的な方法なのは間違いない。

知事選では公明党が、辺野古移設に反対する県本部を説得できずに自主投票としたが、与党の対応として疑問が残った。与党時代に辺野古移設を決めた民主党の自主投票も、無責任だった。

翁長氏は長年、辺野古移設を容認していたが、民主党の鳩山政権下で反対に転じ、県外移設を主張している。今回、「新辺野古基地は絶対に造らせない」と訴えながら、具体的な代替案を示さなかったのは責任ある態度ではない。

普天間飛行場の移設が滞れば、「2022年度以降」とされた返還が実現せず危険な現状の長期固定化を招く恐れがある。他の米軍基地の返還も遅れるだろう。

この問題にどう対処するか、翁長氏は見解を示すべきである。

翁長氏は当選を決めた後、埋め立て承認の「取り消し、撤回に向けて断固とした気持ちでやる」と語った。だが、法的に瑕疵(かし)のない承認の取り消しなどは困難だ。

防衛省は現在、仮設道路の追加など埋め立て工事内容の一部変更の承認を県に申請している。

翁長氏が徹底的に移設を阻止しようとすれば、政府との対立は避けられない。その場合、年3000億円台の沖縄振興予算をどうするか、という問題も生じよう。

翁長氏も現実路線に立ち、政府との接点を探ってはどうか。

政府・与党は、翁長氏の出方を見つつ、辺野古移設の作業を着実に進めることが肝要である。

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(下線は私が付した)

ここに表れているのは、読売新聞の見事なまでの自民党広報紙ぶりである。「読売」などという名称はさっさと捨てて「自由民主」と合併した方がすっきりするし、正体を明示することになって罪が少なくなるだろう。

新知事に慎重な対応を求めたい。

読売新聞は新知事に対してさまざまな対応を求めているが、選挙で示された沖縄県民の意思に対しての政府自民党の対応は何一つ求めない。

沖縄全体の基地負担を大幅に軽減しつつ

普天間を返還して辺野古に新基地建設。それで確かに基地面積はいくらか減る。それでもすさまじいまでの在日米軍基地の沖縄集中という現実は大して変わらない。読売新聞は政府自民党の言葉を無批判に繰り返しているだけだ。

民主党の自主投票も、無責任だった。

民主党の無責任さは批判するが、県外移設の公約を破った仲井真氏、県外移設を公約に掲げた候補を公認しながら当選後には公約を反故にさせた自民党に対しては読売新聞は何一つ批判の言葉を発しない。

具体的な代替案を示さなかったのは責任ある態度ではない。

沖縄から比べると広大な面積を有する本土で代替案を考えようともせず、辺野古新基地建設を強行しようとしている政府自民党は責任ある態度だというのだろうか。翁長氏が本土のどこかを辺野古の代替地に指定すれば読売新聞はどう評価するのだろうか。代替案を考えるべきなのは政府なのだ。

危険な現状の長期固定化を招く恐れがある

一見、沖縄の現状を憂えているかの文章だが、これまでの危険な状態を数十年にわたって改善することなく放置してきた政府自民党の責任に読売新聞は思い至りもしない。

法的に瑕疵(かし)のない承認の取り消しなどは困難だ。

読売新聞の記者はどうやって瑕疵がないと確認したのだろうか。仲井真前知事や政府がそう言っているから、というだけなのだろうか。そうだとするなら朝日新聞の従軍慰安婦問題に関する誤報を責める資格などない。

年3000億円台の沖縄振興予算をどうするか、という問題も生じよう。

振興予算と引き換えに基地を押し付ける、交付金と引き換えに原発を押し付ける。政府自民党と完璧に一致した読売新聞の本質が露呈している。

辺野古移設の作業を着実に進めることが肝要である。

繰り返し示された沖縄の人々の意思など一顧だにする必要はないと宣言している文章。これが読売新聞の出した結論。

 

中国や北朝鮮を非難攻撃しているから「民主主義」だ、などと勘違いしてはいけない。読売新聞や安倍自民党の思考方法、本質的姿勢、政策の基底をなすものは、中国共産党や北朝鮮政府のものと相似形をなしている。自民党=「自由民主」党と名乗っているが、北朝鮮の正式名称は朝鮮「民主主義」人民共和国だということを思い出した。

por Andrés

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